虫歯の予防
最新の予防プログラム「KEEP28」
溝の口佐和歯科・矯正歯科口腔外科での「むし歯予防プログラム」は、他の歯科医院でのむし歯予防と何が違うのか?決定的な違いが「一つ」あります。 それは、「KEEP28」という、最新のスウェーデン・北欧式むし歯予防プログラムを、川崎市内で唯一採用している歯科医院であるという事です。「KEEP28」を採用している歯科医院は、全国にまだ70軒ほどしかありません。
皆さんは、ご自身の歯がいま何本あるか?ご存じですか?もし「28本!」と言える方は素晴らしいです!
人間の永久歯は全部で28本だからです(親知らずを除く)。
「KEEP28」とは、生涯28本の健康な歯を守るために、患者さんご自身の口腔内写真・レントゲン・むし歯検査・歯周病検査、およびメインテナンス記録情報などの資料を収集・保管し、歯科医療従事者と患者さんが、診断プロセスや治療結果情報を共有することで、歯科医療がもたらす真の価値を両者で共有することを目的としています。
患者さんご自身が、自分のお口の状態を知ることで、口腔の健康が「体の健康に関与」することを知って頂き、自ら体感することで健康の大切さに気付いて頂き、その価値を知って頂く。
そして、生涯にわたって口腔の健康が守られ、自分の歯で食事ができるとう素晴らしさを実感して頂くのが、真の「予防歯科」の目的です。
KEEP28の開発・提唱者「熊谷崇先生」
この「KEEP28」を開発・提唱されているのは、「富士通株式会社」と、山形県酒田市にある「日吉歯科診療所」の熊谷崇先生による、共同開発です。 熊谷崇先生は、近年、NHKの「プロフェッショナル-仕事の流儀-」や、テレビ東京の「カンブリア宮殿」でも予防歯科の特集を組まれた、押しも押されもせぬ「日本の予防歯科の第一人者」です。
なぜ、熊谷崇先生が予防歯科の第一人者なのかというと、今から30年以上前に、日本人歯科医師の中でいち早く、世界で最も予防歯科が普及しているスウェーデンに単身渡り、「むし歯予防」の技術や理念・哲学を深く学び、そしてそれを今度は日本に持ち帰り、本物の予防歯科を酒田市で実施し、酒田市のむし歯を激減させ、さらに、全国の予防歯科を真剣に学びたい、という歯科医師や歯科衛生士に教え続けているからです。
30年にわたる熊谷先生の予防歯科教育、その教育を受けた弟子たちの数は数千人に上ります。
現在、スウェーデンでは、生涯、むし歯を経験しない人の割合が、全人口の「88%」というデータがあります。
むし歯は治療をしても決して「治りません」
「むし歯治療」とは、むし歯の穴を人工物で埋めて、「治ったように見せかけて」いるのに過ぎません。
そして、人工物と歯の境目は、余程の精度がないと、再びむし歯になりやすいので、再治療を繰り返していくうちに被害がどんどん拡大し、やがて歯が破折してしまい抜歯へと促されやすくなってしまうのです。特に、生えたての永久歯は「タケノコ」のように柔らかく、非常にむし歯になりやすいです。
しかし、生えたての永久歯は、歳月と共に石灰化が進み、年々、硬くなって、むし歯になりにくくなっていきます。生えてから6-7年経つとかなり硬くなり、むし歯になりにくくなります。
小学1年生・6歳位の時に「最初の永久歯」が生えてきます。この6歳永久歯が硬くなるのは、6年後の中学1年・12歳位のときです。
「最後の永久歯」が生えてくるのは、12歳くらいのときです。この12歳永久歯が硬くなるのは、やはり6年後の18歳くらいのときになります。
したがって、なんとか18歳までむし歯を1本も作らなければ、その人は、ほぼ、生涯むし歯を経験しないと、スウェーデンなどの北欧諸国では30年前から実証されています。
あなたの大切なお子様には、むし歯「0(ゼロ)」の生涯を送ってほしいか?それとも、むし歯を作ってしまって、生涯、むし歯治療を繰り返し受け続けてほしいか?こたえは、明確かと思います。
6歳~18歳までの12年間で決まる生涯のむし歯
むし歯0の生涯か、治療を繰り返す生涯か、それは、6歳から18歳までの「12年間」、どのような「むし歯予防プログラム」によって、その子の歯を見守ってあげられるか?に、かかっています。
スウェーデンで実証された、現在考えられる最も効果的な「むし歯予防プログラム」のひとつが、「MTM(メディカルトリートメントモデル)」に沿ったむし歯予防プログラムです。そして、患者さんご自身の口腔内写真・レントゲン・むし歯検査・歯周病検査、およびメインテナンス記録情報などの資料を、患者さんご自身が確認して知って頂くことがとても重要なのです。歯みがきをいくらよくしても、それだけでは、むし歯予防はできません。
あなたの周りにもこんな方はいらっしゃいませんか?「一日三回、一生懸命かかさず歯みがきしてきたのに、むし歯検診でむし歯が見つかっちゃった!なんで?どうして?もう~ショック!」
それは、その人が、どのようにむし歯が出来るのか?その原因をご存じでなく、正確な「むし歯予防プログラム」が実施されてこなかったから、必然的にむし歯が出来てしまった、ということです。
発生予防でどんなに小さなむし歯も発生させない
むし歯予防は、今や、完全に「発生予防」の時代に入りました。「発生予防」すなわち、どんなに小さなむし歯も、1本も発生させない、ということです。「胃がんの予防」などと比較していただくと分かりやすいかも知れません。
例えば、画期的な「胃がんの予防法」が開発され、それをあなたが受けたとします。しかし、数年後に胃がん検診で「小さな胃がん」が見つかったとします。そうすると、どんなに小さな胃がんだったとしても、その予防法は失敗に終わった、ダメな予防法だったということにならないでしょうか?いやいや、こんなちぃっちゃな胃がんなんて、ちょっと切り取れば大丈夫ですよ!などと言われても、決して納得はできないでしょう。
「むし歯の予防」も同じです。どんなに小さなむし歯も、決して一度も、一本も発生させないことが重要なのです。
なぜ、むし歯はできる?
なぜ、どのように「むし歯」はできるのでしょうか?それは、歯の表面のカルシウムが、唾液中に溶け出すことによって、歯が脆くなり、むし歯が発生します。
では、なぜ、どういう理由でカルシウムが溶け出すのでしょうか?それは、なんらかの理由で、歯の表面の唾液が「酸性」になることで、その酸性になった唾液中にカルシウムが溶け出していきます。
では、なぜ、唾液は酸性になってしまうのでしょうか?それは、食事の後、口に中にいる「むし歯菌」が、口の中の糖分を分解し、酸を生成するからです。
それは、防げないのでしょうか?実は、酸が出来て歯が溶ける要素は、8つの項目リスクとして解明されています。
8つの項目リスク
- 1
- 唾液量 5分間の刺激唾液量(メスシリンダー)にて分類
0 | 10ml以上、正常 |
---|---|
1 | 6ml以上10ml未満、やや少ない |
2 | 3.5ml以上6ml未満、少ない |
3 | 3.5ml未満、大変に少ない |
- 2
- 唾液緩衝能 Dentobuff Strip(スポイド)でサンプルと比較して分類
0 | 即「青」、良好(pH≧6.0) |
---|---|
1 | 5分後「青」、普通(pH≧6.0) |
2 | 5分後「緑」、注意(pH4.5~5.5) |
3 | 5分後「黄」、要注意(pH≦4.0) |
- 3
- ミュータンス菌の数 Dentocult SM(48時間)でサンプルと比較して分類
0 | ほとんどなし(0CFU/ml程度) |
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1 | 少ない(10万CFU/ml程度) |
2 | 中程度(50万CFU/ml程度) |
3 | 多い(100万CFU/ml程度) |
- 4
- ラクトバチラス菌の数 Dentocult LB(96時間)でサンプルと比較して分類
0 | ほとんどなし(1000CFU0CFU/ml以下) |
---|---|
1 | 少ない(110万CFU/ml程度) |
2 | 中程度(1050万CFU/ml程度) |
3 | 多い(100万CFU/ml程度) |
- 5
- 飲食回数 一日の飲食回数。おやつ・ジュースも含む(飴玉一個、ビスケット1枚でも回数にカウント。ノンシュガーは除く)
0 | 3回以下 |
---|---|
1 | 4回 |
2 | 5回 |
3 | 6回以上 |
- 6
- プラーク蓄積量 プラークスコア プラーク付着部位の全歯面に占める割合(%)で分類)
0 | 15%未満 |
---|---|
1 | 15%以上30%未満 |
2 | 30%以上50%未満 |
3 | 50%以上 |
- 7
- フッ素の使用状況 問診によって入手(フルオールの塗布、フッ化物配合歯磨剤の使用など)
0 | 診療室で定期的+家庭で毎日 |
---|---|
1 | 家庭のみで毎日使用 |
2 | 来院時のみ使用 |
3 | 使用していない |
- 8
- ムシ歯の経験DMFT
0 | DMFT 0~1未満 |
---|---|
1 | DMFT 1以上3未満 |
2 | DMFT 3以上5未満 |
3 | DMFT 5以上 |
※D未処置う蝕歯(decayedの略、虫歯・腐った)、M喪失歯(missingの略、喪失。先欠・矯正・怪我は除く)、F(filledの略、充填)、T歯数(tooth歯の略)。乳歯は小文字でdmf。ちなみにDMFSのSはsurfaceの略、面。Sは前歯では4面、臼歯では5面として算定。
全世界共通の数値「カリエスリスク値」
8つの項目リスクを測定し、あてはまる左側の数値の合計点数が、その人の今のむし歯になりやすいかどうかのリスク評価数値になります。これは、全世界共通の数値で「カリエスリスク値」と呼ばれています。
一般的にはこの数値が「9以下」であれば、非常にむし歯になりにくいと言われています。
毎日、一日三回歯みがきしているのに、むし歯になってしまった人は、「⑥プラーク蓄積量」のリスク対策だけを頑張っていたのに過ぎず、それも、「磨いて」いたかも知れませんが「磨けてはいなかった」のかも知れません。なので、我々は実際の歯の表面の磨き残しの部分をカウントして、数字で表して、その人の口腔清掃状態のむし歯リスクとして評価していきます。
もし、カリエスリスク値が「15」の人がいれば、例えば「フッ素を塗る」とか、「おやつの回数を減らす」とか、各人で数値を下げられる項目を下げていき、合計点数が「9以下」になるように、食生活や生活習慣を「変えていく」ことが、むし歯予防につながって行くのです。
あなたは、あなた自身の、あるいはあなたのお子様の「カリエスリスク値」を、ご存知でしょうか? まず、「カリエスリスク値」を知り、どの項目が数値を大きくしており、どの項目なら数値を小さくしていけそうか、目標設定することが、最も効率的で効果的な「むし歯予防」への標となります。