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キシリトールについて
みなさま、こんにちは!
佐和歯科・矯正歯科・口腔外科クリニック、院長の佐和義夫です。
本日は、みなさまに「キシリトール」についてお話しさせて頂きたいと思います。
みなさまは、「キシリトール」は、「むし歯になりにくい、甘いお菓子」だと、思ってらっしゃらないでしょうか?
残念ながら、ブッブ~、です~!!
ある意味では正解ですが、ある意味では不正解です。
「キシリトール」はそんな「甘っちょろい物」ではありません。
「キシリトール」は、天然の樹木である「カバノキ(樺の木)」の抽出成分から生成される「天然化合物」です。
1974年、フィンランドの歯学者ヘルシンキ出身のアリエ・シェイニンとカウコ・マキネンにより、キシリトールには強力なむし歯予防効果があることが発見されました。
「キシリトール」は人間には無害ですが、「むし歯菌」にとっては強力な殺菌作用を示します。どういうことかと申しますと、「むし歯菌」は「キシリトール」を分解することが出来ないのです。
「むし歯菌」は「砂糖」を食べて分解して自分の栄養にして、代わりに「酸」を産出し、この「酸」が「歯を溶かす」ためにむし歯が発生します。
「むし歯菌」にとっては、「砂糖」が「ごはん」で、「酸」は「おしっこ・うんち」みたいなモノです。
しかし、「キシリトール」は「むし歯菌」にとっては「一見、おいしそうな、ごはん」に見える為、お口の中に「キシリトール」が一杯あると、彼らは喜んでこれを食べていきます。
しかし、「むし歯菌」は「キシリトール」の分解酵素を持っていないために、これを食べても「酸」は産出されず、さらに、「むし歯菌」自身の栄養にもならないので、「むし歯菌」はいわば「下痢をする」ような状態になってどんどん弱っていきます。
理論上は「キシリトール」ばかり与えられた「むし歯菌」は、「2週間くらいで死滅する」と言われています。
「ヒト」は「紙」を食べても分解できずに栄養にならず、たくさん食べるとおなかを壊してしまうかもしれませんが、「ヤギ」は「紙」を分解する酵素を持っているために、「紙」を喜んで食べるのはみなさんもご存知かと思います。
この原理とちょっと似ていますね。
これが、「キシリトール」を食べると、強力な「むし歯予防機能」が発揮される理由です。
しかも、十分な甘みがあるにも拘らず、カロリーは通常の砂糖より40%も低く、糖尿病の方の「代用糖」としても推奨されています。
さらに「キシリトール」には「骨粗しょう症」の改善に役に立つことも発見されています。
さらに、「急性中耳炎」予防に有効だという研究報告もなされています。
「キシリトール」摂取による問題になうような「副作用」は、今のところまったく報告されていません。
こんなに素晴らしい「キシリトール」ですが、食べる時の「注意点」などはあるでしょうか?有効に「むし歯予防」するための、いくつかの「オススメ」があります。
①「キシリトール100%」との表記がある食品を食べましょう。
(食品の中には「キシリトール入り」など、効果の低い物もあります)
②「キシリトール」は、出来るだけ「食後」に食べましょう。
(食後に歯みがき後に、「キシリトール」をお口一杯に満たすと、特に有効です)
③「キシリトール」を食べたら、「他の物を食べない・飲まない」
(むし歯菌に「的確に」、「キシリトールだけを長時間食べさせる」ためです
④「キシリトール」は「寝る前」に食べて「口をゆすがずに」「そのまま寝ましょう」
(同じく、長時間「むし歯菌」に「キシリトール」を食べさせるためです)
⑤「キシリトール」も「カロリー」はあるので、食べ過ぎには注意しましょう
(若干、おなかが緩くなる傾向があるのと、食べ過ぎると「太ります」)
以上、素晴らしい「むし歯予防」能力のある「キシリトール」について、お話しさせて頂きました。
みなさまも「キシリトール」をうまく活用されて、「むし歯の無い人生」をぜひ健康に過ごされることをお祈りいたしております!